第1部 第1章 憲法と立憲主義 四、憲法規範の特質


一、国家と法-憲法とは何か-

二、憲法の意味

三、立憲主義と現代国家-法の支配-

四、憲法規範の特質


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四、憲法規範の特質


憲法の特質は3つあります。

①自由の基礎法
②制限規範
③最高法規

です。特質とは特徴的な性質のことです。

ケンくん
ケンくん

それぞれどんな意味を持った特質なの?



①自由の基礎法とは、
憲法が、全ての国民に生まれながらにして自由であり、生命・財産について誰にも拘束されない自由を持つ、
と規定している、という意味です。

自由の基礎法


②制限規範とは、憲法が国家権力を制限する基礎法である、という意味です。

国家権力を制限



③最高法規とは、憲法が国の法のなかで最上位にあって、憲法に反するような法は効力がない、という意味です。

最高法規




わが国の憲法が最高法規であるという考え方は、わが国の憲法が硬性憲法であることからも導かれています。

硬性憲法とは改正がされにくい憲法のことです。

日本国憲法では、憲法改正は各議院の総議員の3分の2以上の発議が必要です。その後、国民審査に付され、過半数の賛成があれば憲法が改正されます(詳細は14章四1参照)。

憲法の改正にとても手間がかかるようになっていて、憲法をコロコロ変えることができないようにしています。
立法府が既存の憲法に反する法律を作れないようにしているのです。こうして憲法の最高法規性が保たれています。

これとは逆に、軟性憲法とは、他の法律と同様に比較的簡単に改正できる憲法のことです。憲法がコロコロ変えられてしまうと、立法府の都合の良いように憲法を変えて法律を変えて・・・、なんてことが起こってしまうかもしれませんね。

硬性憲法と軟性憲法の違い

ケンくんノート

【まとめ】
第一部 総論
第1章 憲法と立憲主義
四、憲法規範の特質

・憲法の特質は①自由の基礎法②制限規範③最高法規である。

①自由の基礎法とは、憲法が、全ての国民に生まれながらにして自由であり、生命・財産について誰にも拘束されない自由を持つ、
と規定している、という意味である。

②制限規範とは、憲法は国家権力を制限する基礎法であることを意味する。

③最高法規とは、憲法が国の法のなかで最上位にあり、憲法に反する法は 効力がない、という意味である。日本国憲法は硬性憲法であることによって 最高法規性が保たれている。


第1部 第1章 憲法と立憲主義 四、憲法規範の特質  おしまい

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